夏来にけらし




老夫婦三合の飯柔く炊き

冷凍させて三日間食べる 赤字だとパソコン出した残額を

相違ないかと手計算する 家近いくねくね曲がる道帰る

最後一曲げ回すハンドル 盛夏来て水枯れしたか我が心

いくら絞っても歌水でない
今日のこと覚える限りノートに書く

老頭脳でも思い出す幸 駅行くに君のマンションそば通る

万一君に会える気がして 子供らの学校へ行く掛け声に

目覚めて起きる朝の安らぎ 大皿に盛られた煮豆少しづつ

食べて三日目に終う喜び 長梅雨で日照時間短くて

梨玉小でも甘いと宣べる 雨合間逆さにつるして傘を干し

急に雨降り中に水たまる 医者に行き一時間待ち受診には

体触れずに十分で終わる 馬上でデープインパクト優勝し

種馬として子ども活躍
好き嫌い多種の体験させられて

やがてそれらが歌となって出る 他人をば感動させることよりも
カタルシス
心浄化に歌作る我 長年のハンセン病の隔離策

家族への差別我らにもあり 差別されハンセン病の家族らの

隠し続けた過去を悲しむ 家族らの集団訴訟五百人余

名前を明かす人は数名 良い種には良い歌が出来悪種には

いくら頭をひねっても成らず 四季四季の花鳥風月に誘われて

自然に溶けた無我が詠じる ある時は歌人の如く気取りたい

吾の愚かさの見えないピエロ
水無月の満月横に見ながら
        あらい もの
乾いた洗濯物を取り込む 拳銃を入手しても大事は

携帯電話の充電器なり 早や明日はパソコンの日でも歌実なし

一首できないかモニタ―を探る 外人の退院する日治癒よりも

医療経費の安さに安堵 定年後日々が日曜仕事なし

今日も遊べる人のいる幸 やれ打つやハエ取り蜘蛛は益虫か

吾が寝てる間に咬む害虫か う た
和歌作り心にもてるマイナスを

一つ一つと脱ぎ捨て放つ 責められて劣等感に悩むなか

歌を詠んでは逃げ道見つけ
春すぎて初夏飛び越して突然に

真夏日襲い体なじまず 豌豆が弁当にあり箸立てて

一粒ずつを拾いつつ食む 左頭部に帯状疱疹罹りたり

髪汗拭けば毛先が痛む 明日集うパソコン広場貴男女を

お乗せするよう洗車掃除だ 家族よりデイサービス行きヘルパー来て

弧老人らは希望もて生く パソコンの囲碁ゲーム勝つが顔見えない
エーアイ
A I 相手じゃただ喜べず 歯医者の待つ間に数独始めたが

治療台でも考えつかず 君もなった双極性のうつ病を

励ますよりもまず受け入れる
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