冬 ざ れ




昼に浮く白い月が夕となり

君ならどんな色塗るだろう 寒さ来て疲労重なり風邪になる

慕う牧師の葬式に出て 電車からメール送ろうと急ぎ打つ

文まとまらず降り駅に着く 朝陽より早く起きて黙想し

デボーション中に夜徐々に明くる 移り行く季節を映し詠めればと

歌を心に起こしたまえ 下向いて忙しければ知らぬ間に

日は長くなり春めいており 歌友もできないと言う時期がある

春待つように歌来るを待つ
片側はすっかり切られて丸坊主

片や葉残るケヤキ並木 ケーブル乗り地上は緑山上は

黄から赤に変わる紅葉 今日も来た喪中挨拶状を見て

年賀交す者また一人減る 北海道大雪見つつ今季では

最低温度の小雪の日 寒さ来たホカホカカイロ貼り付けて

初陣に備え厚着かさねる 君が脚腰痛いと鍼灸に

治療受けると吾も診けるなり ローマからフランシスコ教父来て

核反対の色鮮明に
見渡せば枯れ葉散り落ついつの間に

荒れ野寂しき冬ざれ景色 奥様を無くし師匠のリンゴ好き

思い出してはお歳暮贈る ネパールの留学生と九年の

時は流れても再会嬉し 歌友は今は入院暇々に

句と歌作る喜々顔浮かぶ 名月が過ぎて二度目の満月よ

心を照らし寂しさ癒せ 秋深く絵を描く人は紅葉を

色濃く塗って楽しむ仲間 瀬戸内の小豆島では先生を

二十四の瞳が慕う
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